音楽史にその名を刻んだ不滅のスター、エルヴィス・プレスリー。
その圧倒的な存在感とカリスマ性は、歌声やステージパフォーマンスだけでなく、彼のファッションスタイルにも色濃く表れています。中でも、彼のトレードマークともいえるのが大ぶりなゴールドのサングラス。

実はこのサングラス、ドイツのブランド**NEOSTYLE（ネオスタイル）**の「NAUTIC 2（ノーティック2）」というモデルだということをご存じでしょうか？

■ NEOSTYLEとは？──ドイツが生んだ前衛的アイウェア

NEOSTYLEは1961年にドイツで創業された老舗アイウェアブランド。
クラシックな技術とモダンな感性を融合させたデザインで、1970～80年代にはヨーロッパを中心にファッショニスタやアーティストから高く評価されていました。

NEOSTYLEのフレームはどれも存在感があり、シンプルさの中に「個性」が宿る、まさに“顔を主張する”ためのアイウェアブランドです。

■ NAUTIC 2──エルヴィスを象徴するゴールドサングラス

エルヴィス・プレスリーが1970年代に頻繁に着用していたのが、NEOSTYLE NAUTIC 2。
ティアドロップ型のレンズに太めのゴールドフレーム、そしてサイドには**「EP（Elvis Presley）」のイニシャル入りカスタムモデル**も存在しています。

特に1972年のマディソン・スクエア・ガーデンでのライブでは、このNAUTIC 2を着用して登場し、強烈なインパクトを残しました。
白いジャンプスーツ、煌びやかなアクセサリー、そしてゴールドのサングラス。これこそが、70年代以降のエルヴィス・スタイルを決定づけたルックでした。

■ サングラスは“王様”の王冠だった

NAUTIC 2は、エルヴィスにとって単なるサングラスではなく、“舞台上での仮面”であり、王様の王冠のような存在でした。

表情を隠しながらも、視線を強く意識させる──
そんな演出効果を備えたNAUTIC 2は、まさにエンターテイナーにふさわしい一本。
彼の圧倒的なオーラを視覚的にも補強する「アイコンピース」として、今も多くのファンの記憶に刻まれています。

■ 現在でもヴィンテージ市場で高騰中

NEOSTYLE NAUTIC 2は、現在ではヴィンテージアイウェア市場で非常に高値で取引されており、数万円から数十万円で販売されることもあります。状態の良いものや、エルヴィス仕様のカスタムモデルは特に希少。

現代でも多くのファッションリーダーがこのモデルを再評価しており、**“レトロ・ラグジュアリー”**なアイコンとして復権しつつあります。

■ サングラス一つでレジェンドになる

エルヴィス・プレスリーがNAUTIC 2を選んだのは、偶然ではありません。
ファッションもパフォーマンスの一部と捉えていた彼にとって、この大胆なサングラスは、自己表現の重要な武器でした。

私たちがサングラスを選ぶとき、そこには“ただの日除け”以上の意味があります。
もし、あなたが自分だけのスタイルを確立したいと考えるなら──
エルヴィスのように、一本のサングラスから始めてみてはいかがでしょうか。